兵庫県議会の野々村竜太郎元議員に端を発した政務活動費の不正事件は、その後全国各地に飛び火し、昨年は富山市議会において13人もの議員が辞職する騒動に発展しました。
こうした政務活動費の不正流用は、残念ながら我が市川市議会においても発覚し、平成27年6月定例会において「政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する特別委員会」(以下、『百条委』という)が設置され、小泉文人議員らを対象にした調査が行われてきました。
昨年9月定例会においてこの百条委は終結致しましたが、数か月が経過した今日においても市民の方々からのお問い合わせが相次いでおりますので、この度解説を試みることに致しました。
なるべく客観的な説明となるよう、新聞紙面の紹介を中心に解説してきます。
◎政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査について
このリンクをクリックすれば、百条委員会の調査報告書の全文を読むことができます。全82頁の大作ですが、P72~P78をお読み頂ければ概要は把握できます。
H28.10.08 市川よみうり | H28.09.30 千葉日報 | H28.09.30 朝日新聞 |
平成28年9月29日、市川市議会本会議において、小泉文人議員に対する「架空の領収書等を使用して虚偽の収支報告等を行った小泉文人議員に対して、市議会議員に求められるコンプライアンスの水準を理解するよう求める決議について」と「100条委員会設置の発端となった政務活動費を使った切手の大量購入とアンケート調査につき、説明責任を果たさず、自らの潔白を立証できなかった小泉文人議員に対して、本市議会の信頼を失墜させた責任を問うとともに、自らの判断にて市民が納得する責任の取り方を示すよう要請する決議について」の2本の決議が、本人を除く全会一致で可決されました。リンクをクリックすれば決議文を閲覧できますので、是非ともご一読下さい。
また同日、青山博一議員に対しても、「政務活動費を使った切手の大量購入につき、虚偽の収支報告等を行った青山博一議員に対して、市議会議員の職を辞するよう求める決議について」が、本人を除く全会一致で可決されました。リンクをクリックすれば決議文を閲覧できますので、是非ともご一読下さい。
なお、議会が全会一致で小泉文人議員に問責決議案、青山博一議員に議員辞職勧告案を決議したことは評価されていますが、決議に強制力がない点に懸念が示されています。
H28.09.27 産経新聞 | H28.09.27 朝日新聞 |
9月26日、小泉文人・青山博一両議員に対する問責決議、議員辞職勧告決議に先立ち、市川市議会本会議にて百条委員会の報告書が全会一致で可決されました。
http://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000241033.pdf
このリンクをクリックすれば、百条委員会の調査報告書の全文を読むことができます。全82頁の大作ですが、P72~P78をお読み頂ければ概要は把握できます。
H28.09.20 東京新聞 |
富山市議会における政務活動費の不正受給を報じていますが、「架空の領収書」を使用したり、「領収書を自作」した行為は小泉文人議員の行為にそのまま当てはまります。
同様の行為には同様の処分が科されるべきとの認識が広がり、小泉文人・青山博一両議員に対する問責決議、議員辞職勧告決議が提出されることとなりました。
H28.09.03 千葉日報 | H28.08.27 市川よみうり | H28.08.24 朝日新聞 |
8月23日、百条委員会(委員数15名)において調査報告書が全会一致で可決され、調査報告書は市川市議会本会議に送られることとなりました。なお、本会議においては9月29日に同じく全会一致で調査報告書が可決されました。
http://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000241033.pdf
H28.05.18 産経新聞 |
産経新聞による「地方議会が危ない」特集。舛添要一前東京都知事、野々村竜太郎前兵庫県議に次いで3番目に小泉文人議員の事例が全国紙の全国版で紹介されたことにより、市川市議会の信頼は大きく失墜することとなりました。
H28.03.26 市川よみうり |
調査に必要な資料が提出されず、調査が難航を極めたことから1度は百条委員会としての結論を出すこと慎重な意見が委員の大勢を占めました(越川雅史他1名を除く全委員)。
H28.02.27 市川よみうり |
小泉文人議員とアンケート用紙の印刷会社の両者とも、調査に必要な資料につき、「現存しない」などと述べて百条委員会に提出されなかったことから、委員会の調査は難航を極めることとなりました。
H28.01.16 市川よみうり |
百条委員会が設置される以前は、政務活動費を使って切手を大量購入していた田中幸太郎議員らは「切手は適正に使用した」などと自己正当化を図る発言を繰り返していましたが、その後において実施された各派代表者会議による調査に際しては従来からの説明を覆し、「個人の活動報告にも使用した」と政務活動費の不正流用を認めるようになりました。
H28.01.16 千葉日報 |
第三者である新聞記者は、「アンケート実施を裏付ける証拠は何一つ示されていない」「当事者が積極的に説明責任を果たそうとしない」との評価。
http://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000208922.pdf
政務活動費による切手大量購入問題発覚から百条委員会設置に至るまでの経緯もまとめてありますので下のクリックしてをご参照下さい。